ユリアノート
「父上、邪馬台国との同盟条件はなんでしょうな? それに、なぜ、わざわざ縦読み暗号化して手紙を送ってきたのでしょう」

「ふむ。使者を邪馬台国に送って、そこらのことを聞いてこさせねばならぬな」

「ならば、私を遣わしくださいませ」
マユ王子は自薦した。

使者というのは、誰がやってもいいというものではありませんでした。ある程度高貴な身分であり、豊富な知識を持っている人物でなければならなかったのです。マユ王子は適任かと思われました。


「無理無理無理無理。そちは次の大王ぞ。万一のことがあれば、シャレにならぬ。アキにでも行かせよ」
ヨル大王は拒否した。

「私は、スパイとしてかの国に潜り込んでおりましたゆえ、まずいかと……。私の弟メシをお遣わしくださいませ」
アキは大王にそう提言した。

「うむ。そのメシとやらとワシの次男フジノの二人を邪馬台国に遣わそう」



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