ユリアノート
「よくぞ申した」
そう言うと、アキは刀を振り上げた。

「待て! これ以上知った者を亡くしたくない」
大王はアキをとめた。

「父上のおっしゃるとおりじゃ。これから、邪馬台国と戦争をするというのに、仲間同士で殺しあってどうする。優秀な人材を殺して、喜ぶのは敵国だけだぞ」
そう言うと、マユ王子はアキから刀を取り上げた。

「ありがとうございます」
弟を切らずにすんだアキは泣きながら大王と王子に礼を述べた。


当然、アキもメシを切りたくなかったのです。


(フゥーッ。せっかく俺が助けた命が奪われるとこだった。危ない、危ない)
とフジノ王子は天国でそう思った。


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