ユリアノート
メシは猛毒の入った瓶を持ってきました。

「こちらが猛毒にございます。少し舐(な)めただけでも死に至りますから絶対に舐めないでくださいね。兄上、ウケ狙いで絶対に舐めないでくださいね」

「わかった」
とアキは言った。

「アキよ。今、メシが言ったように、絶対に猛毒を舐めるなよ。確かに、笑いはとれると思うが、危険だ。絶対に舐めるな」
とマユ王子が念をおす。

「はい。わかりました」
とアキは了解した。

「ワシがお前の年の頃なら、絶対に舐めておったが、お前は絶対に舐めるなよ。命にかかわるからな」
と大王も念をおした。

「それって、ここで、ペロリと舐めて笑いをとれということでは……
((((゜д゜;))))」
アキはガクガクブルブルしている。

「いやいや、兄上、そんなこと誰も言ってませんよ」

「じゃあ、猛毒を舐めませんよ?」

「ちぇっ!」
「ちぇっ!」
「ちぇっ!」
大王と王子とメシは舌打ちをした。

「……。わかりましたよ」

そう言うと、アキはペロリと猛毒を舐めました。しかし、たいして笑いはとれませんでした。その後、アキは五日間生死の境をさまよいましが、なんとか回復しました。


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