ユリアノート
朝方には雪は止み、ウサギも元気になりました。

「回復したか?」
ナシャシャソがウサギに話しかける。


すると、ウサギがみるみるうちに女性の姿になったのです。

「助けてくださり、ありがとうございました」


「!? ちょ、おまっ!」
ナシャシャソは超絶ビビりました。


「私は、邪馬台国の卑弥呼と申す者。呪術修行でウサギに変身していたところ、大雪で遭難したのです」

「そうなん?」

「だ、ダジャレ? 私は体力がなくなり元の姿に戻ることができなかったのです。あなたのお陰で人間に戻れました。私は邪馬台国女王ルーニーの娘。次に、邪馬台国女王となる者です。私を殺せば、あなたはユリア国で英雄となるでしょう。私はあなたを恨みません。さあ、どうぞ私を殺してください…」

「それがしは女性は殺さぬ。早くこの洞窟から立ち去りなさい」

「……。恩にきます」


そう言うと、卑弥呼(この頃はまだ女王ではない)は洞窟から出ていったのです。


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