ユリアノート
ヨル大王とマユ王子、そしてアキは今後のユリア国について朝まで生で語り合いました。

しかし、結論は出ませんでした。

仮に、降伏したとしても、大王や王子は間違いなく殺されることでしょう。

また、兵力差を考えると、邪馬台国が和睦に応じることはないのです。

かといって、戦争を続けても勝てる見込みもないのです。

そもそも、この戦争はユリア国がいきなり仕掛けたものでした。

だから、邪馬台国側は超絶怒っているのです。

今は稲の刈入れ時。

しかし、それが終わればまた邪馬台国は攻めてくるのです。

はぁ、と大王のため息。

「父上……。妙案が一つございます」

「申してみよ」

「敵は稲の刈入れ時に我々は攻めてこないものと油断しております。その油断しているところをこちらから攻撃してみてはいかがでしょうか? 必ずやこの奇襲うまくいくことでしょう」

「むぅ。それでは我が国の食糧はどうなる?」

「確かに、稲の刈入れをサボれば、農民達は食糧難になりますが……。昨年の蓄えがございますので、我らや貴族は大丈夫かと……」

「いや、それではいかぬ。ワシはユリア国全ての者が幸せになるような政をしたいのじゃ。
その方が、ステキやん」

「し、紳助?」

「とにかく、そのような愚かなことは二度と申すな」

「ははっ!」


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