俺様なキミに100%♡
ど…どうしよう。
やばい。やっちゃった…。
しーんと静かになる。
「…んだよ。」
と佐々岡くんが言った。
え?え?
怒ってるの?!なぜ!?。
あたしがあせっていると
「ねこが何だって言った?」
と佐々岡くんが聞いてきた。
え…………しゃべってるー!!!!
佐々岡くんが…キングがしゃべってる!!
「あ…えと、ねこ大丈夫?」
小声でしゃべった。
「あぁ。まぁ大丈夫だと思う。
つか、濡れてる」
「そっ…かぁ。よかった。
あ。ふいたほうがいいかな?」
あたしは、カバンをあさり、
タオルを出した。
そして、ねこの体を拭く。
にゃーにゃー言いながら
気持ちよさそうにしている。
可愛い………………。
「よしっ。」
だいたいは、拭けたから
タオルは、持っていたビニール袋に入れた。
「また濡れちゃうけど
大丈夫かな?」
「まぁ、なんとかなんだろ」
佐々岡くんは、立ち上がり
そのまま帰っていこうとした。
「あ…」
あたしがそう言うと、佐々岡くんは、
振り向いて「何」と言った。
えぇ!?何引き止めてるの?!
あたしぃぃ!!!!
「あ…えっと。名前教えてください?」
って何言ってんの!?
佐々岡くん意味不明な顔している。
そりゃそうだ。隣の席なのに
名前教えてくださいだと?!
あなたの名前知ってますよ?!
佐々岡 涼介ですよね?!
「佐々岡だけど?」
ぶっきらぼうに言った名前。
だけどなぜか怖くない。
優しいキングを知ってしまったから。
ねこ助けるとか、佐々岡くんって
優しいよ……。
沈黙が続いて
「あ…ありがとう。
あ。えっとあたしの名前は────」
「木下 萌だろ?」
と、佐々岡くんが言った。
あたしは、びっくりして佐々岡くんの顔を見た。
「なんで知って……」
「は?逆になんで知らねーの?
隣の席じゃねーか」
「あ!そーですよね。」
あははっとあたしが笑うと
「変なやつ……」
そうつぶやいた彼は、
フッとちょっと不器用な笑顔を見せた。
「じゃーな。木下」
佐々岡くんが帰っていった。
というか、
笑うんですね。
笑った。
嬉しい………………。