【中】椿
「…椿の花?」


無意識にあたしは言葉にしていた


「あっ悪い!!また話聞いてねぇや」


「椿の花…何で好き…なの?」


いつもならきっと聞けないけど、そのときは不思議と勝手に言葉になっていた




「あっ…そっか……赤井ちゃんは知ってたんだよな」


「知ってたって?」


なんか特別な言い方に聞こえた…




「…椿の花が好きだなんて……赤井ちゃんにしか言ったことねぇんだ」


彼は少し照れながら話してくれた


「えっ…何で?」


「俺なー椿の花好きなんだけどさ、それを今まで誰にも知られたくなかったんだ」


ん?

あたしはきっと困ったような顔をしてしまったと思う




「言ったらそいつも椿に興味出るじゃん?誰にも見てほしくなかったんだ…俺束縛強いかな?」


笑いながら言う彼にまた、トクンってなった
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