【中】椿
「えっ…でもあたし…」


続きの言葉が出てくる前にまた彼は言った


「俺も赤井ちゃんに話したの不思議なんだよな〜…名前について話した後だったからか?(笑)」


あたしは驚いた

彼と一緒に帰ったのはもう一年も前のこと…


一緒に帰ったことを覚えててくれてただけでも、十分奇跡なのに

話した内容まで覚えてくれてるんだ…



小さなことなのに、ものすごくうれしい




「…覚えてくれてるの?」


そう尋ねるあたしに彼は


「当たり前じゃん!!あんなこけ方今まで見たことなかったしっ」


って笑いながら言うの


「そっそこまで覚えてるの?嫌〜忘れてっ」


真っ赤になって必死に訴えた


「あはは♪赤井ちゃんまじおもしれぇ」


少ーしだけ…

距離が縮まった気がした
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