【中】椿
一緒に帰るのは二回目


前は真冬


今は真夏


確実に変わっていく季節のように…

あたしたちの距離も少しは近づいてるのかな…?




「あっ…ちょっと寄って行かね?」


そう言って彼が立ち止まったのは、あの石碑がたった場所


「俺近くで見たことねんだよな〜…椿はある?」


「え……な、ないよ…」


その呼ばれ方にまだまだ慣れなくて、胸がドキドキする




「製作に関わった俺らですら近寄らねぇのに、これ意味あんのか?」


笑いながら、彼は石碑の裏にまわった

裏にはあたしたちのように、製作に関わった人の名前が小さく彫られている




「えっ…まじありえねぇ……椿!!」


彼があたしを呼ぶ
< 27 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop