【中】椿
その日もあたしたち運営委員は、朝早く学校についた
門から一歩入った瞬間……絶句した
「…な…に………これ」
そこには信じられない光景がひたすら広がっていた
「………嘘だろ!?」
声のする方を振り向くと、白も同じように驚いていた
「…………」
何の言葉も出なかった
数時間前はこんなんじゃなかった…
きれいに飾りつけされたテントや、セットはもう面影すらなくしている
昨日の夕方から朝方まで…
豪雨がこの辺りを襲っていた
雨も風もひどくて、もしかしたら今日も雨がやまないかと思ってた
そしたら作業が遅れるし、大変だと思ってたけど…
これはあたしの予想以上
雨はやんだけど、被害が大きすぎる……
「……こんなんじゃ…もう……無理だよ」