【中】椿


何もできない意気地無しのあたしを置いて、神様はどんどん季節を変えていく





高校三年生のあたしたちには今、恋より重要とされることが迫ってきていた


大学受験




あたしも放課後は図書室にこもって勉強している


あたしの他にも何人か同じように通っている人もいる




けどその日は、いつも見ない人がやってきた


その人はあたしの目の前の椅子に腰掛けた
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