怖がりな兎さんとからかう狼さん
 慌てて荷物を持って、先輩を追いかけた。
 本当にこれからどこへ行くのですか?
 正門から出ず、もう一箇所に別の門があるので、そこから出た。
 先輩は何も言わず、スタスタと歩いている。
 私もただ黙ってついていった。
 数十分かけて歩いていると、目的地が見えた。

「ここって・・・・・・」
「前にあいつらが来たところだ」

 あいつらというのは愛葉お姉ちゃんと久遠さんのことだとすぐにわかった。
 入口に入ると、すぐにショーケースがあって、何種類ものケーキが並べられていた。
 何にしようかな。

「ふふっ、嬉しそうだな。鼻歌でも歌いだすんじゃないか」
「そんなことしませんよ」

 先輩が頼んだのはオペラで私はショコラ・バナーヌを頼んだ。
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