怖がりな兎さんとからかう狼さん
兎を助ける狼
「忘れ物はない?風音」
愛葉お姉ちゃんが洗面所から玄関まで来た。
「大丈夫。ちゃんと持ったよ。いってきます」
今日は海翔先輩と約束していた日。室内プールにいくのは久しぶりだ。
行く途中で何回か忘れ物がないか、鞄の中を確認しながら、待ち合わせのプールまで行った。
先輩の姿を見つけたので、声をかけた。
「おはようございます、海翔先輩」
「おはよ、時間通りだな。行くぞ」
「はい」
プールに入ると、ほとんど人は来ていなかった。
「おそらく午後から人が増えていくんだろうな」
「そうですね」
「まず、どれくらい泳げるか見てやるから、泳いでみろ」
まるで先生のような言い方だったので、少し口元が緩んだ。それを見た先輩は怪訝そうな表情をしていたが、気にせずに泳いだ。
だけど、二十メートルが限界だった。足をついて、息を大きく吸い込んだ。
「思っていたより泳げるんだな」
「どれくらいだと予想をしていたのですか?」
「二メートル」
愛葉お姉ちゃんが洗面所から玄関まで来た。
「大丈夫。ちゃんと持ったよ。いってきます」
今日は海翔先輩と約束していた日。室内プールにいくのは久しぶりだ。
行く途中で何回か忘れ物がないか、鞄の中を確認しながら、待ち合わせのプールまで行った。
先輩の姿を見つけたので、声をかけた。
「おはようございます、海翔先輩」
「おはよ、時間通りだな。行くぞ」
「はい」
プールに入ると、ほとんど人は来ていなかった。
「おそらく午後から人が増えていくんだろうな」
「そうですね」
「まず、どれくらい泳げるか見てやるから、泳いでみろ」
まるで先生のような言い方だったので、少し口元が緩んだ。それを見た先輩は怪訝そうな表情をしていたが、気にせずに泳いだ。
だけど、二十メートルが限界だった。足をついて、息を大きく吸い込んだ。
「思っていたより泳げるんだな」
「どれくらいだと予想をしていたのですか?」
「二メートル」