怖がりな兎さんとからかう狼さん
 それって、これっぽっちも泳いだうちに入りませんよ。
 頬を膨らましていると、失礼な発言をしてきた。

「たこかふぐみたいだな」

 腹が立ったので、先輩にめがけて、水をかけて攻撃をした。
 しばらく沈黙したと思ったら、怒られた。

「だって、先輩が悪いんですよ。反省してください!」
「いきなり水をかけてくる奴がいるか!」

 海翔先輩は片手で顔をこすっている。

「ったく、今から特訓してやる。ありがたく思え」

 それから約二時間かけて一緒に泳ぐ練習をした。
 さすがに疲れた。プールからあがって、椅子に座っていた。

「ぐったりとしているな」
「さすがに疲れました」
「人がかなり集まってきたし、出るか」

 そうしていただけると、とても助かります。
 先輩は早足で歩いていて、急いで行こうとしたときに知らない男性がぶつかった。そのせいで足がもつれて、プールへ落ちてしまった。
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