怖がりな兎さんとからかう狼さん
「悪人・・・・・・」
「俺とお前が出会ってからまだ数ヶ月しか経っていない。俺もお前のことを知ったし、お前も俺のことを知った」
「はい」
「だけど、まだまだ知らないことだってある。だからもっと知っていけばいい。そうすれば、もっと変われるだろう」
「海翔先輩・・・・・・」
「風音、今から出られるか?公園まで」

 公園?

「大丈夫です」
「準備ができたら来い」

 電話を切って、公園へ向かうと、先輩はすでに来ていた。

「海翔先輩」
「来たな」
「来ました」
「お前がこうして話ができるのなら、次はもっと俺に触れないとな」
「いきなりなんですか!?」
「お前の願いは何だ?自分を変えることだろう?」 
「はい、そうですよ」
「だったら、受身のままだったら意味がないだろう。これから練習するぞ」
「練習?どうやって?」

 海翔先輩は自分の手を前に差し出してきた。
 ん?どうしろというのですか?
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