怖がりな兎さんとからかう狼さん
狼が与えた罰
「何ですか?ここ」

 今日は休日。駅で待ち合わせをして、こうして一緒にいる。強制的に。

「見てわからないか?喫茶店」

 目の前にある店は確かに喫茶店だけど、なぜここに?美味しい物を食べさせて、油断させようという罠なのかな。

「入るぞ」

 カランカランと音を立てて入ると、店員が近づいてきて、席を案内した。
 メニューを見てみると、ドリンクの種類が多く、じっくりと見た。
 少し悩んだあと、メニューを閉じて、顔を上げると、海翔先輩はすでに決めていたようだ。

「何にする?」
「バナナジュースとチョコレートケーキにします」

 店員を呼び、私のものと先輩のものを注文した。店員はにこやかな笑顔で中へ戻って行った。

「朝ご飯を食べなかったんですか?」

 先輩はポテトサラダサンドとコーヒーを注文した。

「少ししか食べなかったからな」
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