怖がりな兎さんとからかう狼さん
 さて、いつ罰がやってくるのか、内心ビクビクしている。
 こっちの気も知らずに、先に来た飲み物を飲んでいた。

「強張った顔をしているな」
「!そんなこと・・・・・・」
「そんなに心配しなくても、まだ何もしない」

 まだってことはいつかはするってことに違いない。今これを考えないでおこう。怖いから。
 ストローが動かないように指で支えながら、ジュースを飲んだ。
 冷たくて美味しい。喉が潤っていく。

「まさか俺が学校のガキとこうして出掛けるとは思わなかった」
「たった一つしか違いません!」
「そうやってムキになるところが子どもだ」
「わ、私は今まで男の人と二人で行動したことがありません!」
「じゃあよかったな。貴重な体験ができて」

 冗談じゃない。私がどれだけ男の人を怖がっているか、少しは知ったくせに!

「海翔先輩は・・・・・・」

 ちょうどそのとき、注文した物を持ってきたので、続けて話せなかった。
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