怖がりな兎さんとからかう狼さん
「往生際の悪い奴だな。どれだけ図書室へ行きたいんだよ!」

 お腹に腕を回されて、そのまま後ろに強く引っ張られた。

「何暴れているんだ?大人しくしとけ」

 どうしよう。怖いし、なんだか体も熱い。

「だって・・・・・・」

 い、息が項にかかっている。クラクラして、おかしくなりそう。
 海翔先輩の腕をなんとか引き剥がそうとするものの、ビクともしない。

「随分体温が上がっているな」

 唇が触れるか触れないか、微妙なところで後ろから囁かれるので、思考が追いつかなくなっていく。

「さっきからいい反応しているな。俺が話しかけている度に震えている。ふふっ」

 やめて、お願いですから、もうそれ以上は!
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