怖がりな兎さんとからかう狼さん
「何?ヤキモチ?」
「違う。ただ、俺とはじめて話したときとお前と話したときの温度差があまりにも大きいから。ほら、質問に答えろ」
「何でって、話しやすいからでしょうか?」
「あはは。そう言ってもらえると嬉しいな。海翔はどうせ鋭い目つきで話しかけてきたんでしょ?」
「はい、そうなんです」
「男を怖がるくせに・・・・・・」

 海翔先輩が聞こえないように呟いていたことに誰も気づかなかった。

「風音ちゃん、海翔に意地悪なことをされたら言ってね?力になるから」
「は、はい。ありがとうございます」
「いつも何をされているの?風音」
「何って、脅してきたり、追いかけられたり、命令してきたり、あとは・・・・・・」

 抱きしめられたり、ひ、膝に乗せられたり、お、思い出しちゃだめ!!
 手で顔を隠そうとしていると、不敵な笑みを浮かべる海翔先輩の視線とぶつかった。
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