怖がりな兎さんとからかう狼さん
 見ていくってどういうこと?
 まさかこれからも一緒にいるの?

 そう思うと、背筋がぞっとした。青くなった私を見て、彼は面白がっている。

「そう怯えられるとぞくぞくするな」

 今、恐ろしいことが聞こえたけど、気のせいにしておこう。

「そういうことだからよろしく。さて、何か買いに行くか」
「い、嫌です」
「今日告白した奴にお前が言ったことはすべて照れ隠しのための嘘だったと伝えるか」
「やめてください。なんてことしようとしているんですか」
「俺はどっちでもいいんだぜ。行くか行かないかはお前が決めろ」

 ほとんど脅迫ととれるそれに従う以外、私には何もできなかった。
 私はこれからどうなってしまうのだろう。不安は少しずつ膨らんでいくばかりだった。

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