怖がりな兎さんとからかう狼さん
心配する兎
 テストまであと一ヶ月。まだ勉強をしていない生徒が多数いるが、私は図書室で勉強をしている。
 ちなみにこの間受けた小テストは点数がよかった。

「頑張っているな」
「海翔先輩はいいのですか?」

 机の上にあるものは私の教科書やノート、筆記具のみ。

「家でやっている。俺、暇だ」
「見ての通り、私は勉強中です。構うことなんてできません」

 それくらい理解してください!
 先輩はつまらなそうにしている。
 そんなに退屈なら、家へ帰ればいいのに・・・・・・。

「冷たいな。じゃれあっているときはいい顔をするのに・・・・・・」

 ノートから視線をはずし、先輩へ向けると、小さく笑っている。
 私もいつまでも翻弄されてはいけないのにと思うが、自分の思い通りにいかない。
 とにかく今は勉強に集中しよう!
 ノートの新しいページを開いて、問題を解いていった。

「そこ、まちがっている」
< 93 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop