怖がりな兎さんとからかう狼さん
 改めて見てみると、計算間違いをしていた。消しゴムで消して、訂正した。

「くっ、小さな計算ミスで大幅に点数を落としそうだな」
「そんなことありませんよ。今のはたまたまです」
「そうか?」
「前の小テストの点数、よかったですよ」
「そっか。じゃあ、テストも大丈夫か?」
「大丈夫です。範囲が広いので、結構前からやっておかないと不安です」
「授業を聞いていたらいける」
「そうですか。羨ましい」

 あれ?この問題はどうやるんだろう?
 教科書を見て、やってみた。
 これであっているのかな?
 家にある参考書で確認すればいいかな。

「それもおかしい」

 問題の答えを見て、海翔先輩が指摘した。
 がっくりとうなだれると、軽く肩を叩いてきた。

「ここから計算が少しおかしい」

 先輩に教えてもらいながら数学の勉強は終わった。
 次に英語をやろうとすると、教科書を取り上げられて、パラパラとページをめくっている。
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