~secret garden of flowers~


キッチンの戸棚から紙を取り出し お菓子を乗せて包んでいく

作ったお菓子を食べてもらうのは久しぶりだった


---やっぱり美味しいって言ってもらえると嬉しいな


ルンルンで包んでいたら、いつの間にか焼いたお菓子を全部包んでいた


---や、やりすぎたかな・・・


まぁ、いいか。と気を取り直してロックの待つ部屋へ急いだ


・・・カチャ


部屋に入ると、テーブルにあったお菓子のお皿は空っぽになっていて

お世辞じゃなくて本当に美味しいって思ってくれたんだと笑みが零れた


「はい、どうぞ」


「ありがとう」


包みを手渡せばお礼を言って受け取ってくれた


こんな遣り取りは父や母が亡くなって以来だったから

ちょっと うるうるしてしまった・・・


それを隠すようにロックの空になったカップに紅茶を注ぐ。


「ここは落ち着くな・・・」


湯気の立ち上る紅茶を眺めていたロックの口から「・・・ふぅ」と溜め息が洩れた



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