23時52分
あたしの少し前を歩くそいつは、本を読みながら歩いている。
特について行ってるわけじゃないけども、目的地が同じだから仕方ない。
そう言い聞かせる。
だって、こいつの後を歩いていたら、まるでストーカーみたいに見えるはず。
あたしはいつもより少し、遅く歩いた。
学校の目の前の通りに出ると、同じ制服をきた生徒が何人かいた。
少し遅く歩いたのもあって、あいつとの距離は離れているし、ストーカーとも思われないであろう。
こんなに人目を気にしたのは、久しぶりだった。