キミとの恋に気づいたとき
Another oneself



 『・・・い、』


 何か、聞こえた気がする。

 夜だったのだろうか、暗く、真っ暗で何も見えない。


 『・・い、』


 再び聞こえた音は、人の声だったことがわかった。
 でも誰の声で、何と言っているのかわからない。

 思い出そうとしていると、徐々に端のほうから明るくなっていく。


 まるで光が闇を食べていくみたいに、自分に朝が来たと知らせるみたいに。
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