キミとの恋に気づいたとき
 どうしてこうなってしまったのか。

 色々推理していくと、予想もしないことが起きていた。


『一種の幽体離脱だろう』

「幽体離脱?」

『そう、お前をかばって一緒に落ちたら魂が出てしまった』

「・・・そんなまさか」

『なら、なぜお前の「中」に入ってるんだよ』

「・・・さぁ」


 あの時、階段から落ちる私を見てとっさにかばってくれた人。
 
 その人は私をかばったせいで傷を負い、他の病院へ運ばれたと聞いていた。
 どんな容態か、亡くなってはいないかと聞いたが、誰も知る人はいなかった。

 その人はもうすでに亡くなっていて、魂だけがこの世にさ迷っているのではないか・・・そう言うと『いや、生きてる』と自信たっぷりに言ってくる。


「なんでわかるんですか?」

『なんとなく』

「そんな曖昧な。・・・じゃあ生きてるってわかるなら戻ってくださいよ」

『それはムリだ』

「なんで!!」
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