キミとの恋に気づいたとき
「もういいです、疲れた」


 姿が見えない相手に戦いを挑んでも疲れるだけだ。

 そうしてこの四日間、会話はするが強気の返答に口論となっては疲れを覚え、途中で放棄するという生活を送っていた。

 ♦

『おい、身体は問題ないんだろう?なら外へ行きたい』


 自分のベッドへ横になりゆっくりと過ごそうと思っていたのにまた面倒くさい発言をしてきた。


「あの「おい」とか「お前」とかやめてくれません?」


 まったくもって失礼だし、それが人に物を頼む態度か。
 
 怒りの感情をあらわにすると短いため息を吐きこう続けてきた。


『篠原 千和、外へ行け』


 ・・・それのどこが物を頼む口調なのか理解できない。


「フルネームって。というか、なんで私の名前知ってるんですか?」

『そんなの簡単だ。病室のネームに書かれていただろうが』
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