キミとの恋に気づいたとき
 あぁ、確かに。
 そこで何か素性のわかりそうなことを吐かせてみようと思い聞いてみた。


「私の名前だけ知ってるなんて不公平ですよね。あなたの名前も教えてください」

『嫌だ』

「・・・」


 即答され、舌打ちしたいくらいの気持ちではあったがそこは堪え負けじと応戦してみる。


「名前を教えてくれないならどこへも行きませんし、あなたの事もこれからは「ハゲ」って呼びますよ?」

『・・・』


 これならどうだ、屈辱であろう。


『口が悪い女だ。俺はニーナだ、それしか教えん』

「ニーナ?」


 まさかの横文字。


「え、ニーナって外国人!?しかもさっき「俺」って言った!!やっぱ男・・・」

『あーーーー、うるさい。やっぱ寝る』


 そう言い残し、パタンとドアの閉まる感覚がした。

 五日目にして分かったこと、「ニーナ」には隠れる部屋があったのだ。
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