キミとの恋に気づいたとき
「えっ・・・」


 また。
 また、どこからともなく耳に入る声。


『聞こえてるんだろう?ちゃんと反応しろよ』


 一体どういうことだろうか。


「あの・・・」


 恐る恐る声を掛けてみる。


『・・・なんだ』

「!!?ど、どちら様です、か?あの、私動けなくて・・・あなたが見えないんですけど」


 不気味さと怖さで心臓が早くなっていく。
 見えないところから声だけが耳に入ってくるなんて、なんて気持ちが悪いのだろう。

 返答を待っていると、低い声の持ち主はとんでもないことを言ってきたのだ。


『・・・たぶん見えないな。どうやらお前の「中」にいるらしいから』
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