ねえちゃん
-ねえちゃん-
「あれ、貴文まだ起きてたの?」
深夜1時15分。
玄関の鍵をそーっと開けて、ねえちゃんが帰ってきた。
「ベンキョウしてたんだよ。
ねえちゃんこそ何だよこんな時間まで」
「友達と飲んでたんだもん。あー眠い」
音をたてないようにヒールを脱いで、ねえちゃんがそっと玄関を上がる。
「もう終電無いのにどうやって帰って来たんだよ」
「送ってもらったの。車で」
「飲酒運転じゃねーか」
「その人は飲まない人だからいいの」
小声で喋りながら俺達は真っ暗なキッチンへ入ってパチリと電気をつけた。
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