ねえちゃん
「えー?彼女よりお姉さんを優先するのぉ?そんなの変だよー!」
俺の腕を掴んで振り回しながらブー垂れるミホは、ハッキリ言って可愛くなかった。て言うかムカつく。
「変じゃねえよ。
ねえちゃんの方が先に約束してたんだから仕方ねえだろ。
それに家族大事にして何が悪いんだよ」
語気を強めて言った俺に、ミホは絡めていた腕をパッと離して上目遣いに睨むと
「もういい。貴くんのバカ!」
と言って、一人で駆け出して行ってしまった。
「…んだよ、メンドクセエな」
ミホが拗ねるのはいつものコトで、メールとかシカトするクセに、連絡しないとそれはそれで怒るんだよな。
俺はミホの機嫌がまたしばらく悪くなるコトを考えてウンザリした気分で溜め息を吐き出した。