遠距離恋愛。




それから1ヶ月が過ぎ、
カレンダーの今日の欄には
[卒業式]の文字。


一つ上の先輩が
今日でこの中学を去る。


―もちろん富田先輩も。


悲しくなる気持ちを抑えたまま鏡を見ると、
移った私の顔はどこか
寂しそうな顔していた。


「…あーもう。しっかりしなきゃ!」
そう呟きながら、両手で
頬を叩く。
感じた痛みは、少しだけ気分を変えてくれた。





―ピッ


駅の改札を出ると、
るーなの姿が見えた。


「ゆいー!おはよ!」
「おはよ!」
「…今日、卒業式だねー。」
「…うん…。」
「富田先輩のこと…、
寂しく、ないの?」
「寂しいわけないよ!
もう好きじゃないって
いってるじゃん!w」
「…まあ…。」
「しかも高校にいるしw」
「でも高校と中学じゃ
会う機会少なくなるし…」
「…平気だよ、
好きじゃないから。」
「…そっか。」

もう好きじゃない。



ホワイトデーも、結局何もなかった。
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