空を見上げて【短編】
「まぁ…身の程を分からせてあげましょ」

そう言って出したのはハサミ。

「なに…する気?」

「あんたツヤツヤの長い髪が自慢なんですってね?」

てっちゃんがロングを好きという情報を手にいれて、あたしは髪を伸ばした。

そして、今やっと胸の下辺りまできている

「ま、まさか…」

変な汗が出てくる。

「そのまさかよ。
みんなっ押さえてっ」

そういうと、何処にいたのか20人ほどの女子が出てきた。

「やっやめて!」

そう言っても聞こうとはしない。

ーージャキン

と、大きな音とともに黒い髪がパラパラと落ちてくる。

「…っ…」

「ふんっこれ以上、哲也に近付かないでくれる?あと、空にも。」

女子達が去っていく中、あたしは泣くのを我慢していた。

こんな奴らの為に…泣くもんか…

もう、肩が軽い。

そんな事で、嫌でも実感させられる現実。

あたしは…髪を切られたんだ…
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