空を見上げて【短編】
「…お前…大丈夫か…?」

突然後ろからそんな声が聞こえ、ビクッとする。

後ろを振り向くと空。

ポト…と涙が落ちる。

「しょうがねえなぁ。」

そう言って空はあたしを優しく抱きしめてくれた。

そんな中、あたしは

てっちゃんがこなくてよかった…という気持ちと、

なんで来てくれなかったの??

という矛盾した気持ちでいっぱだった。

「ありがとう…」

「いーけど、髪…大丈夫か?」

「……大丈夫だよっ!このぐらい…慣れてるしさ!」

あたしは空元気で答えた。

すると空は、意外な言葉を発する。

「知ってるか?元気がない時は、空を見上げると元気がでるんだぜ?」

「…え?」

空は、あたしを慰めてくれているのだろうか?

そんな優しさにちょっとだけ胸が軽くなった。
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