空を見上げて【短編】
ピチョン…と水が落ちる。

あぁ、あたしは馬鹿だ。

いじめられてると分かってた。

なのになんで一人でトイレなんていったんだろう。

休み時間、トイレへいって個室に入ったら女子の笑い声と足音が聞こえた。

まさか…と思いドアを開けようとする。

…だけど、空かなかった。

多分、何かが外に置いてあって出れない様にしてあるんだ…

その瞬間、ザバーと上から水が落ちて来た。

「やだーそれ、トイレの水じゃない?
きったなぁーい」

満足気にそう言って女子達が出て行った。

水が肌に張り付いて気持ち悪い。

…寒い…

助けて…

助けて…

誰か…

「そらぁ…」

そう言った瞬間ドンっと大きな音がした。

「おいっ!ちびっ!」

「っ!」

ガチャっと勢いよくドアがあく。

「うわぁ……見事にやられたな…」

「ん…」

「あの…さ、今言うことじゃねぇと思うけど、透けてんぞ、ブラ」

「へ?」

驚いて服を見る。

「きゃあっ!」

「ほら、行くぞ」

ギュッと手を繋ぐ。

「うん…」

空が優しすぎて忘れてた。

そう、あたしはブラが透けてたことに。

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