シフォンケーキ
大学なんてマイノリティには住みづらい世界だ。
明るい茶髪は赤のメッシュを入れてさらに派手に、太ももについたセルライトの所為で花柄スキニーなんて似合わない。
愛用しているバッグは地元のショッピングモールで安売りされていた。(もちろん誰かに買ってもらった事実なんてない)
年上に見られるこの顔のおかげで「何でも経験してきたプライド高い大人の女」として見られることは多々あっても、合っているのはプライドが高いところだけ。
その証拠にこうやって毎日10cmのピンヒールを履きならしているのだから。
コンパも行ったことさえなければその日その場で出会った男と一晩同じベッドで過ごすなんて理解が出来ない。
そんなあたしにこの広くて狭い世界で友達ができるわけがない。