シニカレ
序章
彼の訃報が届いたのは、
天気の良い休日の昼過ぎだった。

あたしは、昼食をとり
趣味のパソコンをしていた。

暇だなぁ・・・。

そんなことを考えていた
直後、ケータイが鳴った。

あたしは、画面を見なくても
誰からの電話かわかった。

この着信音は彼だ。


だが、その電話の主は彼ではなかった。
ケータイから聞こえてきた声は女性のものだった。

あたしは一瞬、彼が浮気をしていて、
その女性が、彼のケータイを見て・・・。
と、そんなことを考えた。

しかし、その女性はそういう風ではなかった。
泣いているのか声は震え、聞こえにくいほどとても小さな声で
話していた。

その時、あたしの頭の中でとても不吉なことがよぎったのだった。
そして、その予想は的中してしまったのだ。
< 1 / 7 >

この作品をシェア

pagetop