シニカレ
「何か…言いたげ?みたいな顔だなぁ。君は。」

―――なんですか?このひとの態度は。言いたいことたくさんあります。
まず、人の名前聞いておきながら、自分は名乗らないということは人間としておかしいと思います。
それに、何故にあたし以外にも同校の人はいたのにも関わらず、あたしに道を聞いたのでしょうか?

客観的にみて、あたし自身あたしみたいな人に話しかけたくないです。
なのに、何でこのひとはあたしに道を聞くとか頭ヤバいんじゃないんですか?
と、自分の心の中をいいことにとてつもなく悪態を吐く。

そんなあたしに、彼は気分を少し悪くしたのか、少しぶっきらぼうにもう一度
「君の名前聞いてるんだけど」とだけ言う。

あたしは、そう言われて彼に対して少しイラッとした。
だからあたしは――――コミュ障のあたしは自分しては大きな声で。
人が聞いたら小さく思うような声で呟いた。
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