ベッドから始まる恋。
…そう、思っていたのに。
ーカラン…
「いらっしゃいませー。何名様ですか?」
「二人で」
「……」
よりによってその人が選んだお店は、BLURRY。
仕事後の夜7時。私と彼は二人、いつもと変わらぬその店へと踏み込んだ。
(何でよりによってここ…!)
「奥のお席どうぞ」
そう案内するのはハルではなく、あまり愛想のないまだ若いウェイターの男の子。
そこそこお客がいて忙しいらしい店内では、ウェイターたちがバタバタと行き交う。