ベッドから始まる恋。
「ここ、よく来てるんだってね。松崎さんが『雰囲気もよくてランチも美味しい〜』ってよく言ってる」
「あ、はい…」
どうやらその情報源は松崎さん…つまりは奈美らしく、彼はそう笑いながらメニューを広げる。
「お酒、いける?」
「はい。そこそこ」
「そっか。何飲む?」
「えーと…」
そう続いてメニューを広げつつ、チラリと視線を向けると
「いらっしゃいませー」
「……」
彼の背後には、いつも通り働くハルの姿がある。
「…、」
目に入ったその姿に、私はついパッと視線をメニューへと戻す。