ベッドから始まる恋。
ー
そして仕事を切り上げ、俺はタクシーで亜子を送り届けるべく彼女の家へとやってきた。
「彼氏とは住んでないの?」
「うん…籍入れたら、一緒に住もうって…」
体を支えながらあがった、マンションの一室。
それはあの頃と変わらぬ、彼女の匂いが溢れる部屋。
「…まだこの部屋住んでるんだ」
「うん…ハルは?」
「一回引っ越ししたよ。相変わらずワンルームだけど」
「また?」
顔色が悪いながらも小さくクスクスと笑う姿に、安心する。