ベッドから始まる恋。
「あ〜あ、午前中も疲れた〜」
「疲れた…って奈美、アンタの部署一番楽じゃないのよ。経理部の身にもなりなさいよね」
「だって疲れたものは疲れたんだもんー!」
「でもまだ午後も仕事は続く…」
大手雑貨メーカーに務める私たち三人は、口々に言いながら丸いテーブルを囲む。
「はぁ…土日が待ち遠しいよぅ」
細く甘い声で私の右斜め前に座るのは、松岡奈美。
ふわふわとした髪がトレードマークの可愛い系で、電話番などの簡単な作業の多い雑務部。
「そういえば土曜、合コンしようって話あるんだけどどう?」
私の左斜め前に座りそう話すのは、本城碧。黒いストレートヘアがよく似合う、美人。伝票管理など計算に追われる経理部。