ベッドから始まる恋。
「お待たせしました」
そんな中に入り込む、彼。
その姿は今日も真っ白なワイシャツに黒のダブリエ、と品のある爽やかな印象。
「…いた」
「へ?何が?」
「確かに、言われてみれば…顔も中身もいい男!」
「へ??」
会話の流れから唐突に絡む二人に、グラスの乗ったトレーを片手にハルは意味がわからないと言った風に首を傾げる。
「お兄さん、絶対モテるよねぇ」
「どうしたの?いきなり」
「今さ、顔も中身もいい男なんてあんまりいないって話してたんだけど…そういえばここにいたと思って」
「あーもう、お兄さんみたいなイケメン王子が大漁に繁殖すればいいのにーっ!」
「あはは、イケメン王子って」
わめく奈美に笑いながら、その手はそれぞれの前にグラスをススッと置いていく。
(指、綺麗)
細く長いその指に、また視線が奪われる。