ベッドから始まる恋。
「…盗み聞き?」
「聞こえちゃうんだって。店内で動いててもお客さんの声って意外とよく聞こえるんだよね」
「そうなの?」
「うん。あの髪くるくるの子は可愛いけどしょっちゅう彼氏変わってるでしょ?あとあのストレートの子は言葉きついけど面倒見のいい子だよね」
「……」
どうやら自分たちが話している声は思う以上に聞こえているらしく、その言葉はズバリと当ててみせる。
「霞ちゃんだけは、いつ聞いても男の話が出てこないみたいだけど」
「…うるさい」
「あ、でも意外と霞ちゃんうちの店で人気だよ」
「?」
「冷たそうな感じがゾクゾクする、って」
「そういう趣味ないから」
一体どんな目で見られてるんだか…、そう呆れる私にスッと差し出される手。