ベッドから始まる恋。
「あ、来てた」
「!」
そうするうちに現れたのは、今日も笑顔のハル。
珍しい私服姿は、ダークグレーのPコートに黒のパンツ。首元には黒いマフラーと、いつもより大人びて見える。
「早いね。まだ10分前だよ?」
「待たせるよりはいいかと思って」
「それ男の台詞」
あはは、と笑ってその目は私を上から下へと見る。
「な…何」
「いや、私服姿も可愛いなと思って」
「なっ!」
「行こ」
そして笑顔のまま、また差し出される手
「……」
私はその手をそっと握って歩き出す。