ベッドから始まる恋。
「すみません!急いでて…」
「俺は平気。君の方こそ大丈夫?」
「あ…はい」
ぺこぺこと頭を下げる女の子にも、ハルはにこにこと気遣う。
「本当にすみませんでした」
「いいえ。気をつけてね」
「……」
本当、普段もあんな感じなんだな…
やっぱり誰にでも優しいんだ
「はい、お待たせ」
「ありがとー」
飲み物を持って戻る私に、カップをひとつ受け取ると上映するスクリーンへと向かい歩き出す。
「…いつも、そんな感じ?」
「?何が?」
「にこにこー、キラキラー、みたいな」
「???」
よくわかっていないあたり、自然なのか狙っているのか…
首を傾げる彼を疑いの眼差しで見つめ、やって来た座席は前の方のペアシート。