ベッドから始まる恋。
そうしてその人から手渡された紙袋と、住所を書いた紙を持ちやってきたのは私の家とは反対方向の閑静な住宅街。
(…あ、ここだ)
小さなそのアパートを目の前に、足を止める。
いきなり来て迷惑じゃなかったかな。でも私のせいだし、謝るくらいしなきゃいけないし…
けどいきなり家までなんて図々しい?連絡くらいするべきだった?
でも連絡したら『大丈夫だからこなくていいよ』とか言いそうだし…
(き、来ちゃったものは仕方ない!行く!)
意を決して、私は『201』と書かれた部屋のインターホンを押した。