ベッドから始まる恋。
「とりあえずベッドに戻らなきゃ…ごめん、あがるね」
「どーぞ…」
そんな彼の体を支え、靴を脱ぎ部屋へとあがる。
「お、お邪魔します」
そう入ったハルの家は、少し広めのワンルーム。
ベッドにテーブル、本棚、テレビ…当然といえば当然だけれど、生活感の溢れるその部屋に普段の彼の生活を感じる。
「よいしょ…、」
そんな部屋の壁際に置かれたベッドに、ゆっくりとハルを寝かしつける。
「ありがとー…こんな熱出たの久しぶりで、参っちゃうね…」
「いいから大人しく寝て。ご飯食べて薬飲んだ?」
「いや、食欲なくて…」
「それじゃあ治るものも治らないって。台所、借りるね」
そして自分のバッグに入っていたハンドタオルを濡らし彼の額に置くと、持ってきた紙袋を手に小さな台所に立つ。