二面相
自宅に戻ると、息子がたった一人でいた。


「母さん、大丈夫だった?」


母一人子一人のせいか、この子は 昔から私の変化に気づくのが早い。そして、私の顔色をよく伺う。

悪いところばかり母親似だ。この子も 将来、私のような苦労をするのかもしれない。


なんだか不憫に思えた。。


「ねえ、大樹。お母さんね、仕事辞めて、おじいちゃんとおばあちゃんのところに、しばらく帰ろうと思うの。


あんた、夏休みでしょう。一緒においでよ。あっちには従兄弟もいるし、楽しいと思うよ」




「柏木くん どうするの?」



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