二面相
「あら、お義姉さん、いいのよ。私、他人じゃないんだから」


と、出してくれたスリッパを履かずに スタスタと中に入る。



「大樹くん、いいわね。夏休み。宿題終わった?」


「……」


「こら、大樹!おばちゃんが 聞いてるのに、返事くらいしなさいよ」


舌打ちをする息子。


「ごめんなさいね。お義姉さん、反抗期なのよ。きっと」



義姉は アハハと愛想笑い。



義姉は 私より一つ年上で、お腹の中には 三人目の子供がいる。



私は 昔から この人が苦手だ。そう意識すると、伝わるのかもしれない、相手も ぎこちなく接する。


さっきから 彼女は私たちの大荷物が 気になるようだ。




「こっちにはいつまで?」


「そのことは、また両親が揃ったときに お話します」


「は、はあ……そうなのね」



義姉は それを聞いたら、携帯を手にしてメールをし始めた。



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